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床断熱 2階の床に断熱材を入れない理由と床の厚みが4cmあっても断熱材が必要な訳

公開日: : 最終更新日:2017/05/26 建築相談, 断熱リフォーム, 遮音

フローリング断熱

こんな質問に答えてみたいと思います。


【質問】
床の断熱についてご意見お聞かせ下さい。

プランで、床が剛床構造(構造用合板28m/m下地)木質系フローリング12t
(読み方や単位の意味も教えていただけるとうれしいです)

営業さんによると、床は4センチのぐらいの厚さになるそうですが、
下地に板を貼って、しかも木部の厚みが合計4センチもあるのに、
断熱材って要りますか?

4センチの厚みの木の上に座っても冷たくはないような気がするのですが。
(ちなみに今の住まいは、断熱材無しのフローリングです)

それと、2階の床には断熱材は入れないそうですが、それは普通のことでしょうか。

2階を歩く音が1階で気になったりしないのか心配。
(ちなみにリビングは2階です)

どこかの新築見学会で、子どもが2階ではしゃいでた音が
ドンドンとものすごかったので、そういうのはいやだなぁと思いまして。

以上2点、よろしくお願いします。

 

【回答】

プランで、床が剛床構造(構造用合板28m/m下地)木質系フローリング12t
(読み方や単位の意味も教えていただけるとうれしいです)

 地震・台風のような水平にかかる力に対して、耐力壁による転倒防止に加え、それらを支える床が水平方向に変形することがないよう床面の平面剛性を確保するため、桁や梁等の上に構造用合板(t≧24mm)を直接釘で打ち付ける構造を剛床(ゴウショウ)構造と言います。

 ご質問の意味は、構造用合板(厚み28mm)の上に、木質系フローリング(厚み12㎜)を貼るという意味です。

構造用合板(厚み28mm)+ 木質系フローリング(厚み12㎜)= 40㎜(4㎝)

故に、その厚み(t)は合計40㎜(4㎝)となります。

営業さんによると、床は4センチのぐらいの厚さになるそうですが、
下地に板を貼って、しかも木部の厚みが合計4センチもあるのに、
断熱材って要りますか?

4センチの厚みの木の上に座っても冷たくはないような気がするのですが。

(ちなみに今の住まいは、断熱材無しのフローリングです)

断熱構造とは、熱の流出を防ぐ、即ち熱の伝達を防ぐことが目的ですので、材料の熱伝導率がその断熱性能の根拠になります。

熱の伝わりにくさを表現するために熱抵抗値を使いますが、熱抵抗値は下記の式であらわされ、材料の厚いほど、熱伝導率の小さいほど熱抵抗値は大きく断熱効果は高いわけです。

  熱抵抗値=材料の厚さ(m)/材料の熱伝導率(w/m・k)

 
そこで 例えば一般に使用される断熱材の熱低抵抗値について考えてみましょう。

 ❶グラスウール16K(熱伝導率0.045):厚みt=100㎜    
熱抵抗値=0.1(m)/0.045(w/m・k)≒2.22(㎡・k/w)

 ❷スタイロフォームⅡ(熱伝導率0.028):厚みt=50㎜   
熱抵抗値=0.05(m)/0.028(w/m・k)≒1.79(㎡・k/w)


 一方ご質問の構造用合板(厚み28)+木質系フローリング(厚み12)の熱抵抗値を計算してみましょう。

 ▼構造用合板(熱伝導率0.16)   厚みt=28㎜        
熱抵抗値=0.028(m)/0.16(w/m・k)=0.175(㎡・k/w)

 ▼ナラフローリング(熱伝導率0.19) 厚みt=12㎜        
熱抵抗値=0.012(m)/0.19(w/m・k)≒ 0.063(㎡・k/w)

構造用合板:0.175(㎡・k/w) + ナラフローリング:0.063(㎡・k/w)=0.238(㎡・k/w)

となり、床材合計の熱抵抗値は、約 0.24 ㎡・k/w としかならず、上記の断熱材と比較すると

❶スタイロフォームⅡ:1.79(㎡・k/w)(t=50) は 「合板+ナラフローリング」の約7.5倍

❷グラスウール:2.22(㎡・k/w)(t=100) は 「合板+ナラフローリング」の約9.2倍  

熱に抵抗できるのです。

つまり、スタイロフォームやグラスウールなどの断熱材のほうが、だんぜん断熱効果が高いと言えるのです。

※熱抵抗:温度の伝わりにくさをあらわす。数値が高いほうが温度が伝わりにくい=断熱効果が高い

それと、2階の床には断熱材は入れないそうですが、それは普通のことでしょうか。

2階の床下には1階の部屋があり、外気に面していませんから一般的に断熱工事はしません。但し、1階が開放型の駐車場であったりして外気に面している時は、当然断熱工事をします。

2階を歩く音が1階で気になったりしないのか心配。
(ちなみにリビングは2階です)

全ての家庭で音の問題は発生しています。マンションのような鉄筋コンクリートの建物で、音の伝達がしにくい材料の床でも音が伝わり、下階に他人が住んでいるが故に、大変な問題になりますよね。

音の伝達を少なくするために、2階の床材にクッション性の物を加えるとか、遮音シートを下貼りするとか、しかないでしょう。

ただ、上階に住んでいるのは家族ですし、子供たちも大きくなれば、聞きわけも良くなるでしょう。

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